GW中に読んだ本(残り)

あと2冊ほど読んでましたが、紹介がまだでした。

経営戦略の巨人たち―企業経営を革新した知の攻防

経営戦略の巨人たち―企業経営を革新した知の攻防

経営戦略の巨人は、経営戦略の勃興と発展の歴史をたどっていくという内容かと思いきや、その実は戦略コンサルティング会社の飯のタネの系譜である。
そもそも経営戦略という言葉自体をBCGのブルース・ヘンダーソンが使い始めたということを知っている人は少ないであろう。
戦略コンサルティング会社に少しでも興味がある人であれば、敵対的に複数パートナーとともに独立してベイン・アンド・カンパニーを立ち上げたビル・ベインの存在は知っているだろうが、
なぜ、ベインを立ち上げたのかについて知っている人はほとんどいまい。
戦略コンサルティング会社は世界でマッキンゼー・BCG・ベインの3強と言われてはいるものの、その実は年間の売上高が4,000億円(!)であるマッキンゼーが圧倒的なトップであり、
BCGやベインは1,000〜1,500億の売上に過ぎないのである。
また、ビル・ベインがエクセレント・カンパニーより生み出されたマッキンゼーの7Sの内容がショボすぎて、聞く度にニヤニヤせずにはいられない、といったコメントを残し、
エクセレント・カンパニーを著したトム・ピーターズやウォーターマンが半ば解雇に近い形でマッキンゼーを追われたことなど、おそらく日の目を見ていない事実は業界人にとっては、非常に興味深い。
冒頭でその実は〜と書いたが、実際はコンサルティング会社の飯のタネのために、経営戦略が発展していると言えるのかもしれない。
本人の意思に関わらず、コンサルティング業界の火付けの役割をブルース・ヘンダーソンが果たしたことは間違いなさそうである。


ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

宇宙飛行士選抜試験は、2008年に10年ぶりにJAXAより募集がかけられ、963人の応募の中から3名の合格者を出した宇宙飛行士選抜試験のドキュメンタリーである。
合格した後も合計4年の訓練が必須であり、その後も打ち上げのタイミングが合わなければ、すぐに宇宙に行けるというわけではない。
また、給与も民間に比べると低く、死のリスクもあることを考えると相当な覚悟で試験に臨まなければならない。
試験は筆記試験、心理テスト、細かい健康診断や精神鑑定などに加え、10日間の密閉空間における監視テストなど、非常に過酷なものである。
最後にはNASAにおいて本場の面接を受け、合否が決まる。
2008年の最終選抜試験に残った者は民間・海上保安庁パイロット、医師、エンジニア、など出自は様々であった。

いかに過酷な状況であろうと、冷静な対応が求められることは想像通りではあるものの、本書で重点的に描かれている最終選考に残った10名の、宇宙飛行士になろうと思った動機がいまいち伝わらず残念。
逆に言うと動機が伝われさえすれば、すべてが一本の線でつながったように思う。
憧れだけでできないのは、どの仕事も同じ。
お金にも自己実現にもいまいち直接生がない宇宙飛行士をなぜ、目指すのか?
知りたいものである。

自分の中に毒を持て

芸術家岡本太郎による書。
GW中に竹橋の岡本太郎展を観に行った勢いで本まで買ってしまった。
全編に溢れるのは岡本氏の熱い思いだ。
大勢に迎合するな、自分の軸を持て、という気持ちが伝わってくる。


やはり天才といわれる人は変わっている、と思っていたが、言っていることは至極もっともなのである。
正直に素直に生きることが後悔をしない最短の道なんだよ、と言い聞かせられている気分になる。


できない理由を考えるのはやめよう。
どうしたらできるかを考えよう。
迷ってある暇があったら前に進もう。
常にポジティブに、自分の考えに自信を持とう。
・・・って気分。