コーチング

研修を受けて、その内容が頭の中で新しいうちにだめ押しするために一冊読みました。

コーチングがリーダーを育てる

コーチングがリーダーを育てる

ハーバードビジネスレビューの論文集です。
やはり戦略系コンサルティング会社からの寄稿がないのは、コンサルティングとは相いれない性質のものだからでしょうか。
個人的には何とか交差するポイントを探っていきたいと思っていますが。

印象に残る内容が多すぎるので、ここに貼るのはやめようと思います。
が、「これあるある」って感じのケースが豊富に載っていて、臨場感たっぷりに読むことができました。

1月読書追加

最近の土日は社外研修やら出張やらでつぶれておりました。
コーチングの研修はとっても意味がありました。
使っていきたいと思っています。

さて5冊ほど読みました。


論語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)

論語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)

研究者のようですが、中学生にも読めるようにということで、孔子の一生を追いながら平易な言葉で解説しています。
心があらわれるようでした。
現代にも通じることは多々ありますし、日ごろから意識しなければならにことも非常に多かったです。

  • 特定の師と限らなくとも、世には学ぶべき師は多いとするのは、孔子自身の実体験のような感じです。
  • 詩・書を学び、礼・楽を身につけることが、学校で学ぶ重要な内容となる。
  • 西洋でも中世以降、文法・修辞学・論理学・算術・地理・天文学・音楽の7科目がリベラルアーツと呼ばれ、学習された。
  • 儒教の「汎愛・博愛」は、広くだれに対しても平等に愛するというような、いわばキリスト教における神のような愛し方とは違う。まず、親を愛し、兄弟姉妹を愛し・・・家族を愛しつくしたあと、友人など近くの人を愛し、というふうに、順番に相手を広げていくという意味でも「汎愛・博愛」である。
  • 人に知られないということは、恥ずべきことではない。が、人を知らないということは、恥ずべきことである。
  • 法の適用は大切だが、もっと大切なことがある。それは道徳を身につけることである。道徳に従って生活すると、法はやむをえないときだけに適用すればすむ。
  • 子曰く、学びて思わざれば、則ちくらし。思いて学ばざれば、則ちあやうし。
  • 「人の長所を言い、短所は忘れることによって、長くつきあいができるのだ」(孔子
  • 古典を読む人は、古典の文字だけを読むのではなくて、古典の文字のそのこころを読むことが大切です。その<古典の文字のこころ>は、読む人の気持ちに沿うものです。ですから、時には以前読んだときとは違う理解をすることがあっても、すこしもおかしくはありません。
  • 子曰く、知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず。
  • 「唯だ酒は量無けれども、乱に及ばず」(郷党篇) 酒の飲む量は決まっていないが、乱れるまでは飲まない。
  • 顔淵死す。子曰く、噫、天予を喪ぼせり、天予を喪ぼせり、と。
  • ①祖先の人々を慰霊すること(過去)、②親を愛すること(現在)、③子孫一族が続いていくこと(未来)、この三つをあわせて孝とするのが儒教である。
  • 「友」という漢字は、手を取り合って助け合う、仲良くするというところから来ている。そうした仲の良さとは上下の関係ではありません。左右の関係すなわち平等の関係なのです。.
  • 学問は<深い知識>だけではなくて、人間としての十分なありかた、人間性の培養を求めたのです。これは広くは、<豊かな道徳性>と言っていいでしょう。すなわち、<深い知識>に加えて<豊かな道徳性>があること、つまりは<教養人の養成>でした。この教養人であること、それを為政者の条件としたのです。
  • ぜん求曰く、子の道を説ばざるに非ず。力足らざるなり、と。子曰く、力足らざる者は、中道にして廃す。今女は画れり、と。
  • いくら財産を積み上げても、死ねばそれまでです。死後の世界に持ってゆけるわけではないからです。それに反して、たとい豊かでなくとも、その人が、人々の心に残る人であったとしたならば、その死後、家族の他に、いろいろな人が想い出し偲んでくれるでしょう。そのほうがはるかに幸せではないでしょうかつまり、生き方がその人の人生の精神的柱となることに意味があります。
  • 仏教を開いたシャカやキリスト教を開いたイエス・キリストは、<多数者や全体の幸福>を、宗教を通じて実現しようとしましたが、孔子は宗教ではなくて政治をもって実現しようとしたのである。
  • 孔子曰く、命を知らざれば、以て君子と為る無きなり。礼を知らざれば、以て立つ無きなり。言を知らざれば、以て人を知る無きなり。

著者の解説も含めて刺さる言葉が多いです。



そして中島らもガダラの豚です。

ガダラの豚 1 (集英社文庫)

ガダラの豚 1 (集英社文庫)

ガダラの豚 2 (集英社文庫)

ガダラの豚 2 (集英社文庫)

ガダラの豚 3 (集英社文庫)

ガダラの豚 3 (集英社文庫)


某巨大掲示板で徹夜してでも読みたい本とあったので、積読がもう少し残っているにも関わらず、浮気して読んでしまいました。
さすが中島らも先生、ぶっ飛んではいるんですが、押さえるところは押さえているというか、真面目なところとふざけたところが絶妙なため、背筋が凍りつく瞬間が何度もありました。
徹夜はしませんでしたが、2晩で読み終えました。

アフリカはケニア雄大な景色の描写は非常に引き込まれますし、比較的数の多い登場人物もそれぞれキャラが立っていて本当に面白かったのですが、それだけに3巻の完成度が1・2巻と比較すると見劣りしました。
でも決して読んで損はないです。



そして最後は今日読み終えた小林秀雄です。

モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)

モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)

初体験でした。
そして表現力の豊かさと教養レベルの高さと語彙の多さに度肝を抜かれました。
モーツアルトの曲は明るいんだけど、どこか悲しみを感じる、という意見はよく聞きますが、元はこの方でしょうか。

  • 何を不服を言うことがあろう。例えば海が黒くなり、空が茜色に染まるごとに、モオツアルトのポリフォニイが威嚇する様に鳴るならば。
  • 和声組織の実験器としてのピアノの多様で自由な表現力の上に、シュウマンという分析家が打ち立てた音楽と言葉との合一という原理は、彼の狂死が暗に語っているように、甚だ不安定な危険な原理であった。ワグネリアンの大管弦楽が口を開けて待っていた。この変幻自在な解体した和声組織は、音楽家が、めいめいの特権と信じ込んだ幸福や不幸に関するあらゆる心理学を平気でそのまま呑み込んだ。
  • 美は人を沈黙させるとはよく言われることだが、このことを徹底して考えている人は、意外に少ないものである。
  • 僕は6つのクワルテットの最初のもの(K.387)を聞くごとに、モオツアルトの円熟した肉体が現れ、血が流れ、彼の真の伝説、彼の黄金伝説は、ここにはじまるという想いに感動を覚えるのである。
  • 確かに、モオツアルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない。涙の裡に玩弄するには美しすぎる。空の青さや海の匂いの様に、「万葉」の歌人が、その使用法をよく知っていた「かなし」という言葉の様にかなしい。
  • 強い精神にとっては、悪い環境も、やはりあるがままの環境であって、そこに何一つ欠けている処も、不足しているものもありはしない。不足な相手と戦えるわけがない。好もしい敵と戦って勝たぬ理由はない。命の力には、外的偶然をやがて内的必然と観ずる能力が備わっているものだ。
  • 独創家たらんとする空虚で陥穽に充ちた企図などに、彼は悩まされたことはなかった。模倣は独創の母である。唯一人の本当の母親である。二人を引き離してしまったのは、ほんの近代の趣味に過ぎない。模倣してみないで、どうして模倣出来ぬものに出会えようか。

この言葉選びは、一流ギタリストのソロパートにおける官能的な音選びに通じるものがあります・・・。

まぶしさに心ふるえて

本の題名ではないけどね。

僕実は国立競技場からそんなに遠くないところに住んでる。結構いいところ。
もう6年目なんだけど、一回も国立に行ったことなかったの。
でも突如思うところがあって、日曜に行ったわけ。
大学ラグビーの決勝よ。帝京VS天理。
客の入りは3分の1くらいだったけど、超面白い試合だったのさ。
両校2トライずつでさ。
ごつい人達がぶつかりあってるんだけど、攻め手も守り手も横のラインがすごいきれいでさ。
瞬発力とか半端ないわけ。
トップスピードに乗るまでのスピードが速いこと。
そして、ONE FOR ALL、ALL FOR ONEの精神ね。
「俺の屍を乗り越えて行け!」と言わんばかりに、前線でごっちゃごちゃになっちゃうわけよ。
挙句の果てに上着が脱げちゃう選手とかいるのさ。

昼間だったんだけど、ガランとした4階席のスタンドから見下ろす男たちの戦いは最高だったな。


んでね、調子に乗って翌日の高校サッカー決勝も行ってきたの。
これは超満員。びっくりしたね。
昨日ガラガラだったスタンドが完全に埋まっているんだから。
カップルの隣に席に誘導されてえらい気まずかったわ。つめてもらってありがとうすいません。
市立船橋チアリーダーおよび大声援に比べて、四日市中央工業の応援の寂しいこと。
でもすんごいいい試合だった。
後半ロスタイムで追い付いて、延長後半に逆転の決勝ゴールだからね。10番は千両役者だよ。彼のための大会だったね。
でも前日のガタイがよくて首の太いラガーマンを見ていたせいか、高校サッカーの選手はみんな小粒でひょろひょろだね。
スピードは確かにあるけど、クリアとかもちっちゃいし、不毛な蹴りあいが時間が結構あるんだな。生で見て始めて分かったわ。

でもどっちも楽しかった。


・・・みたいな語り口のポール・クルーグマン

クルーグマン教授の経済入門 (日経ビジネス人文庫)

クルーグマン教授の経済入門 (日経ビジネス人文庫)

面白いし、入りやすかったんだけど、だんだん難解になってくる。これも時間をおいてもう一回読まないと。
完全に理解したい!

  • 経済にとって大事なことというのは〜つまりたくさんの人の生活水準を左右するものは〜3つしかない。生産性、所得分配、失業、これだけ。
  • 政府がインフレをおさえようとすれば、それは需要をおさえることになって、結局は、その水準以上に失業率を上げるしかない。

この辺まではふむふむって感じだったんだけど・・・。

  • 国が全体として貯蓄をするには、方法は2つしかない。まず今の収入を使って、工場をもっと作ったり、通信網を改善したり、道や橋を改修したりする手がある。つまり、古い資本が壊れたり古くなったりする分よりたくさん、生産資本のストックを増やす。あるいは外国から資産を買ってもいい。海外に投資したり、昔外国人から借りた負債を返したりする。
  • 経済が流動性の罠にはまっているというのは、短期の名目金利がほぼゼロなのに、総需要が常に生産能力を下回っているということだ。

この辺がピンと来ないのはちゃんとマクロ経済を学んでいないからだろうか。今年初の恥としよう。基本的な経済学を習得することを誓います。



論理パズル「出しっこ問題」傑作選―論理思考のトレーニング (ブルーバックス)

論理パズル「出しっこ問題」傑作選―論理思考のトレーニング (ブルーバックス)

あと昔買ってたやつ。
実家帰って東京に戻るバスの中でずっとやってた。
結構面白い。こんなに短い文章の問題にてこずるなんてね。
おれもまだまだ未熟者やね。


そんなこんなで久しぶりにランニングしたら、こんなに寒くても汗かいてめちゃめちゃ気持ちいいので寝ます。
全身心地よい疲れ。

マルクスその可能性の中心

マルクスその可能性の中心 (講談社学術文庫)

マルクスその可能性の中心 (講談社学術文庫)

マルクスの「資本論」はいつか脳に汗かきながら読みたい、そして自分なりの価値観で理解したい、と思ってはいるもののなかなか原書にあたる勇気はないわけです。

そこで入門として本書を読んでみたのですが、内容が難しいこと難しいこと。なかなか理解が進みません。私もまだまだですな。
逆説的な言い回しに慣れていないというか、言い換えの価値に理解が及んでいないというか、着想の境地に達していないわけです。

いつかもう一回読みます。その時は全て理解してみせる。
あ〜原書はまだまだ先かなあ。

  • 人間が立ち向かうのはいつも自分が解決できる課題だけである。(マルクス
  • どんな反体系的な思想家も、内的な意味で体系的であり、そうでなければ彼は本質的な思想家ではない。要するに、それは彼がものごとをラディカルに考えることをしなかったということを意味するだけだからだ。
  • 貨幣が、シェークスピアが『アセンズのタイモン』で省察したように、なにとでもとってかわりうる怪物であり、さらに資本が「利子生み資本」として自己増殖する怪物であることはだれにもわかる。
  • 資本論』という作品が卓越しているのは、それが資本制生産の秘密を暴露しているからではなく、このありふれた商品の”きわめて奇怪な”性質に対するマルクスの驚きにある。
  • 思惟することが問題である場合には、なされた仕事が偉大であればあるほど、この仕事のなかで「思惟されていないもの」、つまりこの仕事を通じ、またこの仕事だけを介して「まだ思惟されていないもの」としてわれわれのもとに到来するものは豊かである。(ハイデッガー
  • 俺があの男を憎むのは、あいつは俺に親切なのに俺はあいつにひどい仕打ちをしたからだ、とドストエフスキーの作中人物はいう。これは金を借りて返せない者が貸主を憎むことと違いはない。つまり罪の意識は債務感であり、憎悪はその打ち消しであるというのがニーチェの考え方である。
  • 簡単にいえば、商人資本は、ある地域で安く買ったものを、別の地域で高く売ることによって成立している。
  • マルクスの考えでは、労働力の価値は、その生産に要する社会的に必要な労働時間である。いうまでもなく、この社会性は貨幣形態から与えられるのであって、貨幣形態を考えずに社会的に必要な労働時間を考えることはできないのである。
  • 資本は世界を文明化するためにではなく、自らが存続するために技術革新を運命づけられているのである。ほとんど無益と思われるような技術の革新も、資本が存続するためにこそ不可欠なのである。
  • 衝動とは、”欠如”からくるものであり、それはすでに表象であり、「意味するもの」なのである。
  • 思想家が変わるとは文体が変わるということにほかならない。理論的内容が変わっても文体が変わらなければ、彼はすこしも変わっていない。

マルクスその可能性の中心より)

  • 他人の死が、不在ではなく確実に死であるためには、なにか別の条件が必要なのであり、したがって死は、たんに物理的な問題でもなければ観念の問題でもない。死はいわば制度の問題である。葬制をもたない社会は存在しない(ヴィーコ)という事実がそれを証し立てている。
  • 一旦それが定着すれば、それがなかったときとはちがった言語の体系が形成されており、他の語の意味も変形されている。

(歴史について-武田泰淳

  • この"船底"は、漱石の"地底"に比べると、はるかに不気味で、アナーキーで、アモラルで、エロティックである。
  • 漱石論の再考は、われわれがその上にある知的地盤そのものの解体を迫るのである。

(階級について-漱石試論Ⅰ)

  • マルクスに限らず、本質的な思想家のテクストは多義的なものである。しかし、今日その多義性がマルクスの場合ほど深刻な問題をもたらしている例はない。
  • しかし、マルクスの「明察(インサイト)」と「盲目(ブラインドネス)」を数え上げても無益である。ボール・ド・マンがいうように「明察」は「盲目」のなかでのみ可能であり、だれもこの条件をまぬかれることはできないからである。

(あとがき)


断片的には分かるんですがね。
文脈という意味で全体像が見えていないんですわ。
これも仮説力の不足かしら・・・。

大人の流儀

大人の流儀

大人の流儀

中島らもとの対談をしていたのもあり、大人の流儀が日経新聞の広告で宣伝されていたことも思い出して手を伸ばした。
週刊誌の連載で書かれていたもののようだが、時に厳しく、時に優しく若者に対する教えをもらえる。
社会は理不尽なところなのだ、というメインテーマが根底にあるが、
それも愛する人の死を乗り越えて出てきた言葉だと思うと、重みが違う。
2011年になってから発刊されたため、比較的最近のテーマについて
書かれているので引きつけられるという面はおいておいても、大人としての心構えを正さずにはいられない。


しかし、失敗しないと気付かないものだ。
また、失敗しないように行動しないのもつまらないものなのだ。

酒びたりで乱れまくっていた僕にとっては、品格のある酒というのは
耳が痛いことであり、人にも注意されるべきことでもある。


今年は襟を正して臨みます。

  • しかし、この不安というのが大切ではないのか、と今回思った。企業が新製品を出す時は皆そうだろう。不安は新しい出口を見つけてくれる唯一の感情の在り方かも。
  • 旅は旅することでしか見えないものが大半である。
  • 私はソフトバンクに関しては、興銀の問題の時から企業理念に対して疑問が残っている。
  • 風俗で働くことが悪いわけがない。彼女たちも人の子であり、夢があり、何か目的、事情があって働いている。私は健げだと思う。性の捌け口、孤独の依る所は社会にとって必要だからこうして存在しているのだ。
  • 眠れない夜もどうにか横になれた。どんな生き方をしていても人間には必ず苦節が一、二度むこうからやってくる。それがないのは人生ではない。人間は強くて、弱い生き物だ。そんな時、酒は友となる。
  • 喧嘩ははじまったらやめないことである。犬でも、山羊でも、猿でも、いったん背中を見せたら、そこで勝負は決する。
  • フランス人のロングバケーションに対する考え方。「仕事を忘れて、普段の時間とまったく違う時間を過ごすのよ。それがすべて」作家の城山三郎氏は、それを「無所属の時間」と呼んで、大切にした。
  • ギャンブルの最大の弱味は己でしかない点である。八百屋だって豆腐屋だって懸命にいいものを仕入れたり、こしらえれば喜ぶ人がいるでしょう。ギャンブラーはいっさい他人の為には生きません。初めっから死ぬまで自分さえよければいいんですよ。どう考えても最低でしょう。無駄です。」
  • 「さぞ苦しいだろうが、君の今の苦しみはやがて必ず君の力になる」これをニュアンスを含めて的確に英語で言えるのかね?
  • 小店が良いのは料理をこしらえる職人が少ないということともう一点(これが大事なのだが)料理が出てくるのが早い。(中略)酒でさえ、封を切って小一時間空気に晒せば味はかわる。ましてや料理は放っておけば職人の思っている味は半減すると私は考える。
  • 人生というものは総じて割りに合わないものだ。そういうことを平然と受け入れて生きるのが大人の男というものだ。
  • 新成人への言葉:
    1. すぐに役に立つものを手にして、何かが上手くいっていると思うな。すぐに役立つものはすぐに役に立たなくなる。
    2. 金をすべての価値基準にするな。金で手に入るものなどたかが知れている。金を力を考える輩は、さらに大きな金の力で、あっという間に粉々にされる。金は砂と同じだ。(そう言えば砂金と言うな)
    3. 自分だけが良ければいいと考えるな。ガキの時はそれも許されるが、大人の男にとってそれは卑しいことだ。咄嗟にプラットホームから飛び降り、人を救おうとした、あの韓国人青年の勇気と品格を思い出せ(いちいちそうしろと言っているんじゃないからね)。
    4. 世界を見ろ。日本という国がどれだけちいさく、外国からどう日本人が見られているか。将来、この国はどうなって行くのかを自分で考えるんだ。
    5. 神社、寺で手を合わせた経験があるなら、キリスト教イスラム教、仏教を学んでおくことだ。そこに今の世界観の出発点がおうおうにしてある(食事中に戦争と宗教の話はしない)
    6. 他人を見てくれで判断するな。自分の身形は清潔にしておけ。
    7. 二十歳から酒を飲めるようになるが、乱れるな、愚痴るな、品の良い酒を覚えろ。
    8. 今はこう言ってもすぐには分からないだろうが、周囲の人を大切にしろ、家族、友、恩師---。
  • 人間の死というものは残ったものに大きなものを与えます。特に親しい人の死はどこかに自分の力が足らずに死なせてしまったと悔やんでる人は多いはずです。私もずっとその気持ちは消えません。それに親しい人の死は思わぬ時によみがえって人を狼狽させます。死んでしまっているのだから片付いてもよさそうですが、死ですら片付かないのですから困ったものです。(中略)私の経験では、時間が解決してくれます。だから生き続ける。そうすれば亡くなった人の笑顔を見る時が必ずきます。(中略)数年前に観た映画でのチェチェンの老婆のせりふを紹介します。「あたなはまだ若いから知らないでしょうが、哀しみにも終りがあるのよ」

本当に勉強になります。
師匠と呼びたいです。

飲んだくれとギャンブル好き

中島らも伊集院静のエッセイを読んだ。
これが2012年の始まりになるのか。いいんじゃないか。


異人伝 中島らものやり口 (講談社文庫)

異人伝 中島らものやり口 (講談社文庫)

中島らもの半生を語り調(インタービュー?)で一冊の本にまとめている。巻末には伊集院静との対談もおさめられている。

まあ、一言で言うとイっちゃっている。
なんせヤクで捕まったくらいの人だから。
大量に酒飲んで、朝起きたら小説の原稿ができてた、とか怖すぎる。
でも女優さんによる後書きにあるように、全編にわたって妙な偏見とかもないから、とある優しさに包まれているような気分になる。
面白い話を沢山してくれる愉快なおっちゃんみたいな。
もっと小説書いて欲しかったな。

残り少なくなってきた積読が終わったら「ガダラの豚」を真っ先に読みます。

  • バンドはどうしても小さな政治ができてくるでしょ。メンバーが5人いたら、2つの派閥が生まれる。3人いたら、一人と二人の派閥になる。そこで政治を成り立たせるためにはファシストが支配しないとダメ。
  • 企業の代弁をうまくするというのがコピーライターの仕事なのに、本人の文学的な自己表現みたいなものを持ちこむなんてサイテー。
  • 最初に見た人は大笑いするやろうけど、同じギャグを二度・三度見て笑う人はいないから。テレビの場合は起承転結だったら、「転」だけとるわけ。「起」や「承」や「結」は見ている人の想像力に任せるわけ。それがよくできたCMなの。
  • 立川談志「落語は違う。落語は人間の業をあざ笑うものだから、決して楽しいもんじゃない。」
  • 落語は極端にネタが少ない。500くらいあるネタをやっているだけ。同じネタを別の落語家がやっているとすると、同じネタでは二回は笑わない。そんな客がどうなるかというと、批評家になるわけ。
  • ギャグ、ホラー、オカルト、ヴァイオレンスと、いっつも違う畑を歩いてきたけど、まあ根無し草(デラシネ)です。
  • バンドオブザナイトは、言葉というツールで、ストロボ・フラッシュ、レーザー・ビーム、リズム・マシーンとエレクトリック・ベース、つまりビートやね。
  • アリス・クーパーとデイビッド・ロス。どうしようもなくて廃人になってたのが、45、5くらいでカムバックしてきてるわけです。最終的にどっかで分かれ道があって、音楽と生きる方を取ったみたいな。その分かれ道が面白い。
  • 伊集院さんの作品では「くらげ」が好きです。作品の中で、違うんだ、会えないだけだっていうのがキュッとくるわけですよ。そう考えないと、ずーっと引っ張っていく。
  • 伊集院静の言葉)私は担当の人に「何かあったらやめそうだ」と言われるんですよ。やめそうにないやつばっかり書いているから。そういう人間は最初にこころざしを作るからね。到達点がすでにある。だけど、やめそうなやつは到達点がないから広がりが出るんだ。いい作品というのは最初奇妙に広がっているところがある。

心を整える

実家に帰ってきました。
激しかった飲みは一日目だけで、それ以外は結構本読みました。


まずは日本のキャプテン長谷部の「心を整える」。

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣

この人細かい。
すごく神経質なんだと思う。
そして超がつくほど真面目ね。
友達に一人ほしいタイプ。度が過ぎないように手綱を握ってもらう役でね。
話すと意外と楽しいのかな。

  • 自分と向き合う方法は2つある。1つは孤独な時間を作り、ひとりでじっくりと考えを深めていくこと。もうひとつは、尊敬できる人や仲間に会い、話をすることで自分の立ち位置を客観的に見ること
  • 焦らず我慢して継続すれば、いつか「組織の成功」と「自分の成功」が一致する
  • 普段から正々堂々と勝負すれば周りから陰口が聞こえてきたとしても、全く気にならない。
  • その日その日の愉しみを優先させるのではなく、先を見据えることが必要だ。周囲の様子、傾向、失敗を自分に置き換えて自分の未来を創造することも必要である。
  • 笑顔の記憶。それこそが僕の仕事に対するモチベーションをかきたててくれる。

もうね。聖人君主ですよ。



お金がなくても東大合格、英語がダメでもハーバード留学、僕の独学戦記

お金がなくても東大合格、英語がダメでもハーバード留学、僕の独学戦記

これも家にあったので興味をもって読んでみたが、受験のテクニック、心構え、苦労した点に重点が置かれており、学問の素晴らしさや社会に出てどう生かすかという話を期待していた身としては肩透かしをくらった気持ち。
受験生にはいいかも。