夜のピクニック

第2回本屋大賞1位だそうです。

夜のピクニック (新潮文庫)

とある進学校では毎年1日全校生徒が80Kmを一晩かけて歩くという行事がある。
高校最終学年迎えた融と貴子は周りには隠していたが、実は異母兄弟であり、お互い一言も交わしたことがなかった。
過酷な歩行祭の中で、揺れ動く高校生の心情を描いた青春小説。

本当にひたすら歩くだけなのですが、胸がジンジンしました。
「○○が××のこと好きらしい」という噂話なんて、高校までではないでしょうか。
主人公二人の揺れ動く心の描きっぷりには、うっとりします。
本人でないとわからないであろう気持ちのはずなのにどちらの気持ちにも共感してしまいました。

高校生は本当に微妙な年代な気がします。
個人ごとの精神年齢に急激な差が開くのは高校時代な気がします。
僕は本当に勉強が中心の生活でしたが、もう少しいろいろやっておけばよかったと思うこともあります。
なんであんなに生き生きかつ複雑なモノの見方をしてたんでしょうね、高校生活って。

正直言って「図書室の海」を読んだ時は何が書いてあるのか全く理解できなかったのですが、本書は完全に理解できますね。
ふわっと香る青春時代を匂い方におすすめです。