太陽の季節

かの石原慎太郎東京都知事のデビュー作にして、芥川賞受賞作である。
ボクシングと女性の魅力を重ね合わせ、相手の気持ちを踏みにじるところに快楽を見出す、一種異様な若者の心の動きを描いている。文章が読みにくいところもあるが、若者ならではの複雑な気持ち、論理性が伴わない心情を表わすのにも一役を担っているように感じる。
バッド・エンドな読後感は虚しさが募るが、これも時代をまたがるニヒリズムなのかもね。


太陽の季節 (新潮文庫)

太陽の季節 (新潮文庫)