パラレル・ワールド・ラブストーリー

2回目の読了である。
以前、会社の人に東野圭吾氏の作品のお勧めを聞かれ答えたことがあったのだが、面白かったという話を聞いてまた読みたくなったのだ。
ちなみに俺の中での東野圭吾ランキングは、1位:白夜行、2位:変身、3位:パラレルワールド・ラブストーリー(本作)である。
会社の人はこの3作の中でも本作が一番良かったとのことである。


主人公は記憶が曖昧である。
恋人が同じ会社に努める後輩であり、同棲している。
親友から紹介されたその恋人は、親友と付き合っていたのではないか、という記憶と
友人として紹介されたという記憶が折り重なって判断がつかない。
徐々に記憶を取り戻す主人公。
そこには、とてつもなく悲しい過去があるのだ。
人間の記憶の改変という事象を元に、紡がれる2つのパラレルワールド・ストーリー。
記憶を失うことになったポイントまで記憶が戻った時、思わず涙が溢れる。


導入部の、並走する山手線と京浜東北線で男女がお互い見つめ合うところもこの後の
話を暗示しているのか。ドキドキするぜ。


パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)