欠如

仕事をする上の暗黙的なモラルは存在する。

・分からないことを質問する、とか
・同じことを何ども聞かない、とか
・必ずメモをとる、とか
・遅延しそうな場合、早めに連絡する、とか
・問題あったら早めにアラームを上げる、とか

業種に限らない、また、クライアントに対してだけでなく、社内の上下関係においても当たり前のことだと思う。
当たり前と思っているだけではだめで、これは当たり前なんだよ、と説き続ける必要はあるとは思うが、当たり前のことを当たり前のように何度言い続けても伝わらないといらいらしてくる。


もしこのイライラの原因が、当たり前のことをできないメンバーにあるだとすれば、当たり前のことを理解していない、ということになるし、僕が伝えきれていない、ということになる。
僕が伝えきれていない理由は、言葉足らずだからなのか、相手のレベルまで落とせていないのか、理解しているかどうかの確認を怠っているのか、分からないが、伝わっていないというのは僕の責任なのだろう。


能動的にメンバーが動くようにするには?という問いに対して、「一定の権限を与える」とよく本には書いてあるが、一定の権限を与えて失敗した時に反省もせず同じ過ちを繰り返すメンバーに対してはどのように対処するのだろうか。
上司がサポートする割合を増やさざるを得ないだろう。それは一定の権限の収縮を意味しないだろうか。
一度与えた権限を小さくすると、人はその範囲内でしか動かなくなり、小さくなった権限でも失敗する。さらに権限が小さくなるという悪循環には陥らないだろうか。

少しずつ権限を大きくしていくべきだ、という意見もあるだろう。しかし、与える権限が大きくなる時のきっかけは、小さな権限を成功させたタイミングである。小さな権限において成功できないことが続く場合、やはりその権限を奪うことにつながらないか。


権限の話の前提には「失敗を糧にするマインドを持っていること」があるのではないだろうか。