本屋大賞

本屋大賞は好きな賞です。
好きな本になることが多いです。
今年も発表されました。

というわけで早速読んで見ました。

謎解きはディナーのあとで

謎解きはディナーのあとで

主人公の女性警察官は、実は大金持ちのお嬢様。
日々の仕事で絡む上司も実業家の御曹司で、現場にはジャガーでやってくる。
国立の片田舎で起こる事件。お嬢様が家に帰って悩んでいると、尋常ではない興味を示す執事。
思わず事実を相談するお嬢様に対して、執事は無礼千万な暴言を吐きながら、次々と事件を解決していく。

お嬢様と執事というキャラ設定と、軽ーい文体だけが印象に残りました。
トリックも面白くないですし、上司がお金持ちという設定も必然性を感じませんし、得るものがありませんでした。

興味惹かれる題名とキャラ設定によるマーケティングの勝利でしょうか。
今年はハズレでした・・・。


逆に一緒に買った「神様のカルテ」(去年の本屋大賞2位)は非常に面白かったです。

神様のカルテ

神様のカルテ

地方の公営病院における労働の凄まじさと、末期治療の悲しみを同じアパートの住人、かわいらしい奥さん、心優しい患者さん
達が包み込みます。
夏目漱石が好きという主人公の文体になかなか入り込むのに苦労しましたが、読み終わって大変感動しました。


2008年の本屋大賞2位の「サクリファイス」も大変面白かったです。

サクリファイス

サクリファイス

主人公は社会人ロードレーサー部に所属する23歳。
高校時代は陸上で県内トップの実力を持ちながら、一番にテープを切ることに意義を持てないでいた。
そんな中、自転車ロードレースという、全員が一番になることが「必須ではない」競技の存在を知る。
ロードレースの大会中に起こった大事故。そこに隠された本当の真実とは・・・?


自転車ロードレースがどういう競技なのか全く知りませんでしたが、競技そのものに俄然興味をそそられます。
また、題名にも込められた、あまりに哀しい真実。
2回やられます。